いやね、チラシ配りと言っても、一応は尾行調査なんかのお手伝い程度はしていたみたいなんです。
あとで知った話しなんですが、本当にただのお手伝い程度で、それほど重要な調査には加わってなかったみたいで。
でも、その、ちょっとした経験が、話しをリアルにしてたんですね。
すっかり騙されてましたよ。
2年近くの年月。
カレ、いつも言っていたんです。
“名古屋で探偵として独立する”って。
何故に名古屋?
その理由も、笑ってしまいました。
とあるアイドル、名古屋の栄を拠点に活躍している女の子たちのファンだったんですね。
もう、気持ち悪いったら。
いい歳して、そんなの(ごめんなさい!!!)を追っかけて、自分の人生を選んでいくなんて。
今思えば、名古屋へ行くことを理由に、お別れして良かったなって、思ってます。
職業も結局違っていたし。
わたしがカレと付き合った理由も、探偵というものに憧れて、だから、あまり人のこと、言えたものでもないのですが・・・。
でも、そういう職業の人って、身近にいないものだから、格好良くみえてしまったりしませんか?
友達の旦那さまも警察官で、結婚式で見たときは、それは格好よく見えましたよ。
消防士さんなんかもその類ですね。
まぁ、探偵さんは、ちゃんとしたお仕事じゃないって言えば失礼かもしれませんが、特に免許や資格が必要でないから、公務員の警察官や消防士さんとは一緒にできないのかもしれませんけれど・・・。
とにかく、わたしにはそれが公務員のみなさんと同じように輝いて見えてしまったのです。
前に、テレビでも見たことがありますが、警察に相談に行っても、事件ではないから、と取り合ってもらえず、それをとある探偵事務所の人が代わりに護衛したり、それについて調べたり、場合によっては相手と話しをつけたり、そんな番組を見ると、同じような職業に見えてしまったのかもしれません。
元カレから、探偵として名古屋で独立したいんだ、と聞いたときはまだお付き合いしていなかったのですが、わたしはこころの底から応援したくなってしまいました。
実際の仕事としては、職業詐称に当たるのかもしれません。
メインは、毎日、ただチラシを配っていただけなのですから。
でも、自分で事務所を開いて、という夢までは嘘ではなかったかもしれませんね。
と、言うか、そう願いたいものです。
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